選んだ理由
アンドリュー・ガーフィールド出演の「ハクソー・リッジ」「沈黙-サイレンス-」を見た。
衛生兵による実話、ということでこの映画も見ておきたかった。
以後ネタバレやでぇ
感想
- 私を救ってくれた衛生兵
- 私が救えなかった衛生兵
が、
その場にいなかったすべての人に知ってもらいたくて
戦後戦う物語。
実話をもとにした映画。
戦争に行った先祖に思いを馳せ、胸が苦しくなった。教科書に載らず、だれも語らず、だれにも語られなかったとされた「今生きる人を作った人」の物語。
刺さった、刺さりすぎた。
感想の背景
ぼくの祖父は徴兵され日中戦争へ、事後満州で抑留、運良く帰還するも親族には死亡告知書が届いており戦死したものとされており、弟が家業を継ぐ実家を出て自分で仕事を起こした。そう話してくれたことを思い出した。
たまに、抑留中の凍える寒さ、鉄に張り付く肌、理不尽に殺される仲間、身代わりになってくれた部下、などの話をしてくれたことがあった。まだ、物心があやふやなころ。聞いたことすら忘れてた。
その背景で心動いた理由
夢にまで見る、記憶に強く残る戦時中の場面
ふと思い出すことが鋭く重すぎないか、こんなことを「ふと」レベルで思い出してしまったらPTSD待ったなし。
祖父を重ね、いろいろなことを思い出し、戦争のことを調べ、その語られない背景まで想像することができた。祖父が生きて帰ってこれたその影には多くの命、物語があったのだろう。
自分の祖先を生かしてくれた物語、想像してこなかった。いままで見えなかった部分を考える良い教材になった。
心動いて至った考え
結果がすべて、熱量を目標に合わせ努力するだけ。
単純でシンプルなことしかできず、なんでもこう考えることが多かった。
今後は、その裏で起こってる、起こったことに目を向けれる気がする。
見た前と見た後の印象や自分の変化
戦争は、何年から何年までだれとだれが何かを求め戦った。程度の認識だった。
それに点数にならない厚さと深さがあることを知った。更に知りたくなった。戦争の背景を紐づけ想像することにより、情報量は多いのに、記憶には残りやすくなるかもしれない。
パズルピースが増えて解像度が上がった感じ。
核兵器を作った苦悩でおなじみのアインシュタインやオッペンハイマー。
武器や兵器を作った人の苦悩ってのも重なってくるんだろうな。
総括し、実行へ至る考え
「負傷者を助ける費用対効果」といえるシーンがあった。
今まさに銃弾が飛び交う最中、負傷者。未来の戦力ではあるものの、今現在戦力としては数えづらいものをヘリ・運転者・補助・衛生兵を賭して助けにいくのが正解か。
とても答えを出しづらい問い。
人でなければ、NOと言いたい。今生きている人、戦力になる人を第一に考え、負傷者は助けやすい状態を選ぶべきだ。
映画のテーマでもある「戦死者への正当評価」。
そのテーマを阻むものは、昇進・歳出議会・生活などだ。今現在生きる人の「価値」、未来への「準備」。過去を振り向き時間を割くことで消えうるもの。
「今でいっぱいいっぱい。」
わかる。
「過去を見る暇がない。」
わかる。
それでも、今があるのは先人のおかげ。
思いを馳せる、ぼくにはそれくらいしかできないけど先人に生かされて、今がある物語に厚みを加えるための努めなのかもしれない。
端書(鑑賞中のメモ)
- プロット→
- 勲章が必要な人に必要な証言や命令が見当たらず、受賞条件を満たせない場合がある。皆戦死したり、語りたがらなかったりするからだろうか
- 殺されることが怖くてビビりながら敵を探している者たちが、同じ思いをシている敵を殺す。対して、日本兵は投降や戦死に対しての意識が違ったと聞いたことがある。日清戦争での投降兵による暴露で多くの死者が出たかららしい。
- 弾を打ち切って、その直後どう行動するか。その意識一つをとっても戦力差が見える。
- 衛生兵として、戦時中人を救助したとき、混乱して泣き叫ぶ皆を危険に晒す兵士に対しどう思いどう行動するか。自分が怖い。
- 戦時中、失敗して仲間を死なせたことがずっと思い出される。そりゃねれない。
- 救助と費用対効果
- 怪我をすれば親父は泊まると思った≒ 戦時中怪我をすれば帰国できると思っていた
- 空軍、ヘリ、衛生補助として、助けに行ったが引き換えした。上司に戻ってくれ、助けたいといったが戻ってくれなかった。仲間を戦場に残してきてしまったという後悔。
- 勲章をピッツに捧げるために行動するのはピッツのためか?皆自分のためでもあるんだろう。
- 実話かよ、まじかよ?めっちゃいい話
- 戦争を知らない人にとっては歳出検討会議をとめてまで一個人の勲章の話をする。そのコストには耐えられない。がしかし、そのコストが生じてもなお