白人至上主義集団からの解脱物語 SKIN/スキン

選んだ理由 なぜだったか、サムネイルがゴリゴリのタトゥー兄ちゃんだったからか。 「メメント」や「アメリカン・ヒストリーX」を連想したからかもしれない。 連想は当たった。 主人公が差別主義集団の役員で物語当初崇高な信者だった。 以後ネタバレやでぇ 感想 ゲームしながら見たにも関わらず、途中からグッと引き込まれ映画にログイン。 きっかけは、主人公ブライオンが罪を一手に受け今に疑問を感じ、一般人(?)に恋をするところからだ。 取り調べが終わり開放されると外にはクラブ代表が迎えにきていた、その帰りには当たり前のように浮浪少年をスカウトしていた。 このシーンでスカウトされた少年と重ねるかのように、ブライオンの生い立ちやクラブへの参加背景が顕になる。 そして、その少年が「お腹が空いたから」とホイホイとクラブに参加したことに苛立つ。主人公と重なったのだろう。 他人から、ないもの、足りないもの、欲しているものが丸分かりの少年少女は格好の餌食。と言わんばかりのシーン。 「助けてやる」気づいた頃には受けた恩がデカくて重い、「興味がなければ抜けてくれていい」気軽に参加したが食事、寝床、仲間のように振る舞う人々に飼いならされる、「レイシスト」クラブから役員とされ一般人からは団体のフロントマンとみられる、「家族、仲間を裏切るのか」大切なものや人、一貫性を人質に取られる、「あいつは悪いやつ」皆排他的に他方を悪者にする、「おまえは一心同体」コミュニティと一体化する自我… 怖すんぎ この恐怖、「トレーニングデイ」でも感じた。少しずつ仲間に取り入れられ、気付いた頃には同一化して逃げ難易度が難化するやつ。 このストーリーで、復帰や復讐、殺人や自死を選ばずに解脱する流れは強さを感じた。 感想の背景 逃れられない恐怖、取り込まれる恐怖、手のひらで踊らされる恐怖 未熟さ、浅はかさ、愚かさ、いろいろな足りなさを痛感する。 「あれ、ぼくわたし、取り込まれちゃってるー?(某アニメ)」 美味しさをつまみ食いする程度、ちょっとのつもりが欲望や人間関係が絡まり後戻りできない状態に(常々戻れるんだけど後回しにするたびに難易度高くなるやつ) これは、だれしも大なり小なり感じたことがある物語かもしれない。 その背景で心動いた理由 ぼくも数回この流れを踏んでいる。 自分より強いだれかに取り込まれ、明確に足りないことを知った分、必要な方向に合わせ努力を振りやすいのかもしれない。 心動いて至った考え これは人間のバグ、一度はハマる、大勢はハマったことすらわからず抜け出し振り返りもしないんだろう。 人生は一度、趣は多く深い方がいい、という意味では何度も踏みたい轍。 轍とするならば、ハマっては抜け出して、ガタガタっ!ってなるの何度もして遊ぶのも一興かもしれない。 見た前と見た後の印象や自分の変化 人類須くハマる轍、人生における傷・汚点、感じた弱点、人間のバグ 振り返りたい、我が人生。 なぜハマったか、なぜ抜け出せたかを説明できるようになりたいかもしれない。 轍遊びするには、言語化と再現性が必要な気がする。 総括し、実行へ至る考え 意思と痛みとともに彫ったタトゥーをさらに強い意思と痛みとともに消した描写が印象的だった。 タトゥーが消えたブライオン本人が笑っていたのも タトゥーの場合は「意志の形と痛み」が分かるけど、解脱しづらい組織などには見えるものが少ない。終わりのない戦いがあるのかもしれない。 蛇足 映画内のクラブが「ヴァイキングのように!」って言ってたの気になった。 ヴァイキングって白人至上主義者と関係あったのか、とググっても重要そうな記事が見当たらなかった。 欧州の厨二病的表現だったのかな 「ヴァイキングうぉぉぉ」とか「オーディンに忠誠シャキーン」とか言ってる中二病スキンヘッドおじさん軍団危なすぎだろ。 「漆黒を忌み嫌い、至白を極めし者よ、FINAL FANTASY ONLINEに安息を求めたし!封印!!」

October 18, 2022 · なぴた